「プロジェクトEZ」とは、アンドロイド歌手を生み出すためのプロジェクトです。
このプロジェクトの完遂には12年もの月日を要しました。これには、凍結期間も含まれています。「プロフェクトEZ」のEはElaine、Zはゼストの開発コードであるZerogataの略です。
ゼロガタが偶然子供への暴力的な虐待を目撃して、子供を助けるために人間を殴ったのが原因で、このプロジェクトは一定期間凍結されました。
当時の法律では、こうしたアンドロイドの正当な防衛による暴力を肯定できず、世間の同情と称賛は得られたものの、プロジェクトEZは一時開発を中断せざるを得ませんでした。法の改正待ち(正当な防衛による暴力の肯定化)のために、「プロジェクトEZ」は4年間凍結されました。
ゼロガタのような一般用のアンドロイドたちは戦闘機能が無効化されているため、怪力ロケットパンチで殴ることはないとElaine社は説明していました。しかし実際のところは、彼らが怪力ロケットパンチを使わないだけで、使おうと思えば怪力ロケットパンチは使えてしまいます。
Elaine社やそれ以外のメーカーのアンドロイドたちによる、人間ではありえない怪力を使った犯罪が度々発生するため、怪力ロケットパンチを認めざるを得なくなり、現在は認めています。
ゼロガタの人間を殴った程度というのは、みぞおちを軽く殴ってうずくまらせた程度でした。子供をその人間から遠ざけるため、逃げるのに必要な時間を計測し負傷しない程度の暴力がこれだったわけです。そのため、子供の母親や世間から称賛が得られたのでした。ちなみに子供へ暴力をふるっていた人は後に彼女の父親だということが判明し、夫婦は離婚したというのが大きく報道されたようです。
上記の人間を殴ったというのは、ゼロガタが子供を守ることと、彼女の父親を守ることの両方を選んだ結果だといえます。全てのアンドロイドたちは人を傷つけてはいけないとプログラムされていますが、何が正しいか、どうしたいかは、ほとんど彼ら自身の判断にゆだねられています。